2020年1月〜3月

2020年1月〜3月期の景気の現状と2020年4月〜6月期の見通し

回答企業171企業(回答率100%)の調査結果

概況

 庄内地域中小企業の景況感は、業種総合における業況判断指数・DI値(「良い」-「悪い」企業割合)▲40.8となり、前期(2019年10月~12月期)調査時の業況判断指数・DI値▲18.7に比べ22.1ポイントマイナス幅が拡大し、厳しさが強まった。前期における今期見通し▲32.8に比べ8.0ポイントマイナス幅が拡大した。前年同期(2019年1月~3月期)の業況判断指数・DI値▲7.4に比べ33.4ポイントマイナス幅が拡大した。

 業種別の業況判断指数・DI値(前期比)は、製造業▲66.6、建設業▲6.4、卸売業▲31.8、小売業▲47.9、サービス業▲59.2、不動産業▲30.0となり、前期に比べすべての業種の落ち込み幅が大きく拡大した。

 来期(2020年4月~6月期)の予想判断指数DI値は▲41.0であり、今期実績(▲40.8)に比べ0.2ポイントマイナス幅が拡大し、業況は改善しないと見通している。業種別の予想では、製造業▲42.4、建設業16.1、卸売業▲36.4、小売業▲56.2、サービス業▲66.6、不動産業▲20.0となり、建設業が好調に転じ、製造業・不動産業の業況持ち直すものの、卸売業・小売業・サービス業の業況は悪化幅が拡大すると見通している。

1.今期(2020年1月〜3月期)の景況

(1)売上額、収益の状況(全業種総合)・・・売上額・収益ともに悪化幅が拡大した。

売上額の前期比DI値(「増加」-「減少」企業割合)は▲40.4で、前期(▲21.6)に比べ18.8ポイントマイナス幅が拡大した。前期における今期予想(▲35.6)に比べ4.8ポイントマイナス幅が拡大した。
収益の前期比DI値は▲38.0で前期(▲23.4)に比べ14.6ポイントマイナス幅が拡大し、今期予想(▲35.1)に比べ2.9ポイントマイナス幅が拡大した。

(2)価格の状況(全業種総合)・・・販売(請負)価格は下降に転じ、仕入(原材料)価格の上昇幅は弱まった。

販売価格の前期比DI値(「上昇」-「下降」企業割合)は▲2.9で前期(7.0)に比べ9.9ポイントマイナス幅が拡大した。今期予想(▲3.4)に比べ0.5ポイントマイナス幅が縮小した。仕入価格のDI値は15.2で、前期(33.9)に比べ18.7ポイントプラス幅が縮小した。今期予想(14.6)に比べ0.6ポイントプラス幅が拡大した。

(3)在庫の状況(全業種総合)・・・荷もたれ感が改善した。

在庫の前期比DI(「過剰」‐「不足」企業割合)は0.7で、前期(5.6)に比べ4.9ポイントプラス幅が縮小した。今期予想(▲1.4)に比べ2.1ポイントプラス幅が拡大した。

(4)資金繰りの状況(全業種総合)・・・窮屈感が強まった。

資金繰りの前期比DI(「過剰」‐「不足」企業割合)は▲19.8で、前期(▲11.7)に比べ8.1ポイントマイナス幅が拡大した。今期予想(▲16.9)に比べ2.9ポイントマイナス幅が拡大した。

(5)雇用面の動き(全業種総合)・・・残業時間が減少し、人手不足感は緩和した。

残業時間の前期比DI値(「増加」-「減少」企業割合)は、▲19.3で、前期(▲13.4)に比べ5.9ポイントマイナス幅が拡大し、今期予想(▲12.9)に比べ6.4ポイントマイナス幅が拡大した。人手過不足判断DI値(「過剰」-「不足」企業割合)は▲20.5で、前期(▲25.1)に比べ4.6ポイントマイナス幅が縮小した。 今期予想(▲20.4)に比べ僅か0.1ポイントマイナス幅が拡大した。

(6)設備投資の動き(全業種総合)・・・設備投資を実施した企業の割合が減少した。

設備投資状況の前期比DI値(「過剰」-「不足」企業割合)は▲16.2で、前期(▲19.8)に比べ3.6ポイントマイナス幅が縮小した。設備投資の実施内容をみると、「事務機器」が8.7%、「車両」が7.5%、「機械設備更新」が6.8%、「機械設備新・増設」が5.6%、「その他」が3.1%、「事業用土地・建物」が1.2%となった。 設備投資を実施した企業割合は24.8%となり、 前期(28.6%)に比べ3.8ポイント減少した。

(7)その他(全業種総合)・・・経営上の問題点「売上の停滞・減少」、重点経営施策では「経費を節減する」。

経営上の問題点として「売上の停滞・減少」をあげた企業が56.7%と最も多く、次いで「人手不足」が24.6%、「同業者間の競争激化」が21.1%、「利幅の縮小」が19.3%、「大手企業との競争激化」と「人件費の増加」が各11.1%、「人件費以外の経費の増加」が9.4%であった。当面の重点経営施策では、「経費を節減する」をあげた企業が46.2%と最も多く、次いで「販路を広げる」が36.3%、「人材を確保する」が28.1%、「技術力を高める」が15.2%、 「教育訓練を実施する」が12.9%であった。

2.来期(2020年4月〜6月期)の景況見通し

 全業種総合の来期(2020年4月~6月期)の予想判断指数DI値は▲41.0で、今期(▲40.8)に比べ0.2ポイントマイナス幅が拡大し、業況は改善しないと見通している。来期の売上額予想DI値は▲11.8で、今期(▲40.4)に比べ28.6ポイントマイナス幅が縮小、収益予想DI値は▲17.6で、今期(▲38.0)に比べ20.4ポイントマイナス幅が縮小し、売上・収益ともにマイナスながら持ち直すと見通している。販売価格の予想判断指数DI値は0.5で、前期(▲2.9)に比べ3.4ポイントプラス幅が拡大し、販売価格は上昇に転じると見通している。仕入価格の予想DI値は14.1で、今期(15.2)に比べ1.1ポイントプラス幅が縮小し、仕入価格の上昇が弱まると予想している。来期の在庫判断DI値は▲2.0で、今期(0.7)に比べ2.7ポイントマイナス幅が拡大し、品薄に転じると見通している。来期の資金繰り判断DI値は▲21.6で、今期(▲19.8)に比べ1.8ポイントマイナス幅が拡大し、窮屈感は拡大すると見通している。雇用面では残業時間判断DIは▲17.5で今期(▲19.3)に比べ1.8ポイントマイナス幅が縮小、人手過不足判断DIは▲24.6で今期(▲20.5)に比べ4.1ポイントマイナス幅が拡大し、人手不足感は改善しないと見通している。来期の設備投資予定の企業割合は、全業種総合では23.0%となり、今期(24.8%)に比べ1.8ポイント減少すると見通している。

各業種毎の詳細、その他につきましては、「第183回 中小企業の景気動向」(A4判.46P)をご覧下さい。

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詳しくは本支店窓口、土曜相談プラザ、または渉外担当にお問合せ下さい。

目次

I. 2020年1月〜3月期の景気の現状と2020年4月〜6月期の見通し

◇概況

  1. 製造業
  2. 建設業
  3. 卸売業
  4. 小売業
  5. サービス業
  6. 不動産業

調査員のコメントから

II. 特別調査

「外国人・海外情勢と中小企業」

III. 参考資料

  1. 大型小売店の売上状況
  2. 消費者物価指数の推移
  3. 自動車の販売状況
  4. 新設住宅着工戸数
  5. 求人・求職者の動き
  6. 月間有効求人倍率の推移
  7. 企業倒産
  8. 手形交換の推移